【解説】『浮世風呂』とは
正式なタイトルは『諢話浮世風呂』。戯作者の式亭三馬が書いた全四編・九冊のシリーズ小説で、「男湯之巻」と「女湯之巻」で構成される。江戸時代末の1809(文化6)年から1813(文化10)年にかけて刊行されてベストセラーに。『東海道中膝栗毛』と並んで滑稽本の代表作と評されている。
現代語訳
江戸の銭湯「浮世風呂」には、近隣の町人たちが入れ代わり立ち代わりやって来て、世間話をしながら湯に浸かる。男湯と女湯での男女の会話をタイムライン式に描いた滑稽小説。
男湯之巻
● 【前編(男湯之巻)① 】よいよい病のぶた七

芝居の幕開けを告げるような朝の火打ちの音。そこへ寝巻姿で銭湯にやって来たぶた七は、犬につまづき糞を踏む。続いて若い男二人もやって来て、ヨイヨイという病を持つぶた七と三人で、開店前の朝の会話が始まる。
● 【前編(男湯之巻)② 】湯屋の店開き

犬の糞の踏み跡に気づいた男たちにぶた七は、墓穴を掘るような話を繰り広げ、よいよい病を抱えた日常を語り出す。そこへ「浮世風呂」の番頭が銭湯の戸を勢いよく開けて、ふらつく足のぶた七が中へと倒れ込む。
● 【前編(男湯之巻)③】隠居老人とぴん助

湯舟で調子に乗って歌い出すぶた七と、その様子を囃し立てる2人の若者。そこへ隠居老人がやって来て、ちょっとドジなぴん助と共に、地震の時刻で健康や天候を占う「地震の占い歌」をめぐって、あれこれと話し出す。
女湯之巻
● 【二編(女湯之巻)① 】芸者のお三味さん

舞台は女湯。昼前の銭湯に芸者(三味線弾き)のお三味がやって来て、仕事先の料理屋の娘・お鯛と脱衣所で、昨晩の常連客たちや髪結いの話に花を咲かす。続いて芸者のお撥(※三味線のバチ)もやって来て、風呂で芸者同士の会話が始まる。
● 【二編(女湯之巻)② 】湯汲みの男と流しの男

芸者のお三味とお撥は、熱い湯舟の中で、同居する家族のこと、休日の過ごし方など近況を報告しながら、生意気な口を利いてふざけ合う。そこに湯加減を調整する「湯汲みの男」や、女湯で客の背を流す「流しの男」も加わって、男女が風呂でからかい合戦を繰り広げる。
資料編
● 【浮世風呂】使用画像(パブリックドメイン)の出典一覧
関連記事
●【パブリックドメインの活用法】著作権切れの書物や浮世絵画像の入手方法と使用のルール
\「浮世風呂」と並ぶ滑稽本の代表作/
●【現代語訳・解説】十返舎一九『東海道中膝栗毛』リンク一覧
●【解説】『東海道中膝栗毛』とは? 旅のルートから作者まで本の要点総まとめ
\ 葛飾北斎の異色作 /
●【『北斎漫画』入門】葛飾北斎が描いた「現代マンガ」のルーツと魅力を解説
総合ページに戻る






