浮世絵利用「メトロポリタン美術館」有名作品のダウンロード手順を解説

メトロポリタン美術館のデジタルアーカイブは、葛飾北斎や歌川広重といった有名な浮世絵をはじめ、約50万もの世界の名作を画像データで公開し、無料ダウンロードできるようにしています。

この記事では、日本の有名な浮世絵画像を利用したい方に向けて、作品の探し方からダウンロードまでの利用手順をわかりやすく解説します。

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メトロポリタン美術館コレクションとは

アメリカ・ニューヨークにある「メトロポリタン美術館」は、世界三大美術館の一つです。

世界じゅうから集められた美術コレクションは現在300万点に及び、「全館を一日で巡るのは難しいほどの規模を誇る、世界最大級の美術館のひとつ」と言われています。

浮世絵コレクションも世界有数で、葛飾北斎の「富嶽三十六景」、歌川広重の「東海道五十三次」や「名所江戸百景」、他にも歌川国芳や喜多川歌麿の浮世絵など、有名どころはひととおり揃っている印象です。

これらの所蔵作品を一堂に鑑賞できるのは、実は現地ではなくインターネット上なのです。それも鑑賞だけでなく、自由に活用することが可能です。

なぜならメトロポリタン美術館は、収蔵品の中からパブリックドメイン作品(著作権の保護期間が満了したいわゆる著作権フリー作品)を画像データ化し、誰もが作品を利用できるようにデジタルアーカイブとして公開しています。

そのデジタルアーカイブの名が、「The Met Collection」(メトロポリタン美術館コレクション)です。

下のURLをクリックすると、次のようなページが開きます。
https://www.metmuseum.org/art/collection

メトロポリタン美術館コレクションTOPページ

アメリカの美術館なのでサイトは英語です。しかし英語が読めなくても、サイト上でマウスを右クリックして「日本語に翻訳」を選択すると、英語のサイトが日本語になります。

さっそく中を覗く前に、このサイトの特徴や活用のポイントを解説します。

あなたの作品探しの目的が本当にこのサイトに合っているのか、もしくは他の美術館サイトの方が適しているのかを見極めるための参考にしてみてください。

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メトロポリタン美術館コレクションの特徴と活用ポイント

メトロポリタン美術館コレクションは、世界有数の浮世絵コレクションを所蔵し、それらをパブリックドメイン作品として公開しています。

メリット
メトロポリタン美術館コレクションの魅力は、作品数が豊富なうえに、絞り込み検索の精度が非常に高いことです。「この絵師のこの作品」とピンポイントで作品を探すのに最適で、検索によって目当ての浮世絵を見つけやすいのが特徴です。

デメリット
一方で、例えば絵師名で検索すると、代表的な作品が一覧の下の方に埋もれがちです。そのため作品名での絞り込み検索が重要になります。画像の一覧をスクロールでたどりながら、ビジュアルイメージで利用画像を感覚的に選ぶような活用法は、このサイトでは不向きな部分があります。

まとめると、メトロポリタン美術館コレクションは、作品名の知識があり、特定の浮世絵(その他の作品も含む)を探している方にとっては非常に使い勝手が良く、画像利用するために最初に訪れるサイトとして適しています。

その他の美術館サイト
例えば葛飾北斎や歌川広重など絵師名で検索し、たくさんの画像をスクロールしながらイメージに合った浮世絵を選びたいといった場合におすすめなのが、「シカゴ美術館コレクション」です。

シカゴ美術館も浮世絵コレクションが豊富で、有名どころが揃っています。こちらは逆に、目的の作品に沿った絞り込み検索には難ありという特徴があります。

北斎作品の中でも『北斎漫画』の作品画像を探している方は、用途によっておすすめのサイトが異なります。こちらの記事を参考にしてみてください。

また、当然ながら美術館ごとに所蔵している浮世絵は異なります。浮世絵が豊富な美術館サイトの中から比較して選びたい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。

メトロポリタン美術館コレクションは、北斎や広重といった目当ての浮世絵を、作品名の検索で探して利用する際に、最初に訪れるのに最適なおすすめのサイトです。

ではさっそく使い方を見ていきましょう。

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作品画像の探し方と検索の手順

1.基礎動作の手順

①サイトを開く
シカゴ美術館コレクションのトップページを開きます。
https://www.metmuseum.org/art/collection

②日本語翻訳を選ぶ
英語で操作を迷う場合は、サイト上でマウスを右クリックして「日本語に翻訳」を選択します。
ただし作品名はローマ字で検索するため、正しい表記をコピペして検索する際には設定を「英語」に戻す必要があります。

③検索窓に単語を入力して検索する
作者、作品名、国別、ジャンルなど幅広く検索できます。
ただし日本語検索ができないので、「Utagawa Hiroshige」など入力する必要があります。

2.作品を探す3つの方法

作品を探すには、大きく3つの方法があります。

  • 検索窓から作品名や作家名で検索する
  • メニューから「高度なコレクション検索」「ハイライト」「パブリックドメイン画像」を選択して進む
  • 「アートを閲覧する」から特定のジャンルをクリックして進む(日本の作品は「アジア美術」に含まれる)

「パブリックドメイン画像」を選択する方法

今回の目的は、お気に入りの浮世絵画像をダウンロードして、ブログなどで利用することです。

メトロポリタン美術館の作品画像を許可なしで利用するには、著作権の保護期間が満了したパブリックドメイン作品であることが条件です。トップページのメニューから「パブリックドメイン画像」をクリックすると、著作権の保護期間が満了した作品のみが一覧で表示され、その他の作品とフィルター分けすることができます。

とはいえ、江戸時代の浮世絵はすべてパブリックドメインなので、探している画像が「江戸時代の浮世絵」に限定されるのであれば、この手順は不要です。

いろいろ試してみた結果、浮世絵を探すには、トップページから検索窓に直接入力する方法がベストであることがわかりました。そこでここからは、浮世絵画像の探し方を具体的に説明していきます。

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3.浮世絵画像を検索する手順

日本の浮世絵画像を一覧表示させる方法

メトロポリタン美術館で浮世絵は「Woodblock print(木版画)」に分類されています。しかし「Woodblock print」で検索すると、世界の木版画が一覧で出てきてしまい、浮世絵にたどり着くのは一苦労です。

そこでトップページの検索窓に「Japan Woodblock print」と入れて検索すると、メトロポリタン美術館で所蔵する浮世絵の画像が一覧で出てきます。その数、7,536件!(おそらく昔の書物の挿絵などが含まれます。)

該当ページのリンク

しかし「浮世絵」の絞り込みだけでは作品数が膨大すぎて、順に見ていってはとてもお目当ての作品に行き着けません。

さらに一覧ページに画像と共に表示されるのは作者名のみなので、何の浮世絵作品かを確認するには個々の画像をクリックする必要があります。そこで、やはり現実的なのは作者や作品名での絞り込み検索です。

作者や作品名を検索する方法

メトロポリタン美術館は、トップページの検索窓から作者や作品名を検索してピンポイントで作品を探すことに長けています。

浮世絵師の名前で検索すると、「Utagawa Hiroshige」(=歌川広重)723件、「Katsushika Hokusai」(=葛飾北斎)448件の作品がヒットします。

作品名では「hiroshige the Fifty-Three Stations of the Tokaido」(=東海道五十三次)73件、「Fugaku sanjūrokkei」(=富嶽三十六景)127件と表示されます。「Hokusai manga」(=北斎漫画)を始め、書物の挿絵が充実しているのも特徴です。

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北斎の浮世絵を検索する方法

作者名で検索
作者で検索する時は、葛飾北斎であれば「Hokusai」という略称ではなく「Katsushika Hokusai」とフルネームにしたほうが検索精度が高いです。

作品タイトルが曖昧な場合は、ひとまず作者名で検索し、画像の一覧をスクロールしながらお目当ての作品を探すことになります。

作品名で検索
しかしお目当ての作品を探すのであれば、最終的には作品名での検索が必要です(一覧表示で下のほうに埋もれていた作品もすべて出てきます)。

作品名の検索でややこしいのが、日本の作品もすべて英語表記になっていることです。しかしメトロポリタン美術館コレクションは完全な英訳ではなく、北斎の代表作「富嶽三十六景」であれば「Fugaku sanjūrokkei」、「北斎漫画」であれば「Hokusai manga」とそのままローマ字表記にししただけなので、日本の作品でも検索しやすくなっています。

分からなければ、ひとまず「Hokusai」で検索して、有名な波の絵をクリックし、「Fugaku sanjūrokkei」のタイトルをコピペして再び検索する、という手順が最も正確です。

「Fugaku sanjūrokkei」(富嶽三十六景)を検索すると、127枚の絵が表示されます。

「富嶽三十六景」の一覧を日本語表示で見る

該当ページのリンク

広重の浮世絵を検索する方法

こちらも作者名での検索は、「Hiroshige」ではなく「Utagawa Hiroshige」で検索したほうが精度は高くなります。

作品名はローマ字表記で検索します。例えば「東海道五十三次」の作品名は「hiroshige the Fifty-Three Stations of the Tokaido」です。

検索すると、73件ヒットしました。

「東海道五十三次」の一覧を日本語表示で見る

該当ページのリンク

ちなみにメトロポリタン美術館が所蔵する「東海道五十三次」の浮世絵は、55枚(53駅+起点の日本橋と三条大橋)のうち、33枚目(白須賀)から55枚目(三条大橋)までは全て揃っていますが、前半は無いものが多いです(日本橋は有り)。

ただし他の美術館では風景画の順番がばらばらなアーカイブが多い中で、近い地域がわりとまとまって並んでいるので、目当ての浮世絵が非常に探しやすいのが特徴です。

風景画の絞り込み検索
もう1つ広重作品を探すのにおすすめなのが、「作品名 地域」で検索する方法です。例えば「東海道五十三次」の中から日本橋の浮世絵を探す場合は、「tokaido nihonbashi」と検索するとすぐに該当の絵が見つかります。

他の美術館サイトでは、このような絞り込み検索ができないことも多いです。

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ダウンロード手順と利用のルール

4.画像をダウンロードする

作品情報ページに進む
画像一覧から利用したい画像をクリックすると、作品画像とその作品情報のページが表示されます。

筆者は、「富嶽三十六景」シリーズをスクロールしていき、なんとなくそそられた絵「江戸日本橋」の画像をクリックしました。

「江戸日本橋」の作品情報ページ

該当ページのリンク

②作品情報を確認
まず、画像下に「パブリックドメイン」と書かれていることを確認します。

次に、画像の利用は出典(クレジット)の記載が基本となるので、クレジット用に「作家名、作品名、日付、このページのURL」情報を確認します。

作品名に関しては、日本語での正しい表記に直します。

作品(利用画像)の基本情報
・作家名 葛飾北斎
・作品名 『富嶽三十六景』シリーズ「江戸日本橋」
・発行 1830–1832年頃
・所蔵 メトロポリタン美術館
・URL https://www.metmuseum.org/art/collection/search/56394

③ダウンロードボタンを押す
画像右下に3つのボタンがある中で、中央のダウンロードボタン(「↓」のマーク)をクリックします。

拡大画像の画面が表示されるので、マウスを右クリックし、「名前を付けて保存」をクリックします。

画像が保存できました。

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5.画像を利用(掲載)する

ダウンロードした浮世絵画像

出典:葛飾北斎『富嶽三十六景』シリーズ「江戸日本橋」1830–1832年頃(シカゴ美術館所蔵)

④クレジット(出典)を記載する
掲載した画像にクレジットを記載し、ダウンロードページのURLを貼ります。これで画像の所有先が分かり、情報源をたどることができます。

メトロポリタン美術館の画像利用のルール

サイト内の「オープンアクセス」のページを開くと、パブリックドメインの画像利用について次のように書かれています。ここでは日本語に自動翻訳したものを紹介します。

Open Access
Data about The Met collection, including over 492,000 images of public-domain artworks, available for free and unrestric...

メトロポリタン美術館でのオープンアクセス
パブリックドメインの芸術作品の492,000枚以上の画像を含むメトロポリタン美術館のコレクションに関するデータは、無料で無制限に利用できます。

オープンアクセスとは何ですか?
2017年2月、メトロポリタン美術館は、パブリックドメインの芸術作品のすべての画像と、コレクション内のすべての加入作品の基本データをクリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)の下で無制限に利用できるようにするオープンアクセス・イニシアチブを導入しました。今では、誰でもメトロポリタン美術館コレクションのアートワークに関する画像やデータをダウンロード、共有、リミックスできるようになりました。

要は、その画像がぺブリックドメイン作品であれば、ダウンロードして自由に利用してよいというわけです。

「クリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)」とは、要はパブリックドメインであることを示すライセンス表示のことです。インターネットでパブリックドメイン画像を利用する際は必ずといっていいほど登場するので、覚えておくと便利です。詳しくは「クリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CC0)」を解説したこちらの記事をご覧ください。

メトロポリタン美術館サイトの利用規約
https://www.metmuseum.org/policies/terms-and-conditions

続いて利用規約について、関係がある部分のみ要約します。

  • メトロポリタン美術館は、パブリックドメインとしてサイトで公開した作品は、商用利用も含めて、美術館の許可を必要とせず、無料で利用できる。
  • 美術館が著作権またはその他の制限下にあると考える資料は、限定的な非営利、教育、個人的な使用、または米国の著作権法で定義されているフェアユースにのみ利用できる。ユーザーは、他の作品の資料と同様に、資料の著者と出典を引用する必要があり、引用には「www.metmuseum.org」というURLを含める必要がある。

2つ目は「美術館が著作権を持つ作品」についてなので該当はしませんが、比較用に載せました。

サイト内のいろいろなページを探しましたが、筆者が探した限り、どこを見てもパブリックドメイン作品に関してクレジット表記に関することは一切書かれていませんでした(美術館や図書館のデジタルアーカイブでは、パブリックドメインでも出典の記載を利用規約にしているところが多いです)。できればクレジットを記載してほしいという推奨の一文さえ見つかりません。

一般的にデジタルアーカイブの画像をダウンロードして利用する際は、出典として「作者、作品名、発行年、所蔵先、ウェブ掲載であればURL」を載せて、参考文献などと同じように情報をたどれるようにすることが基本です。

美術館への敬意を持ちつつ、各自の責任で、画像を利用させてもらうことを心がけましょう。

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まとめと関連情報

noteで広く活用されている「みんなのフォトギャラリー」は、noteクリエイターが提供する画像を自分のnote記事の見出し画像として自由に使用できる機能です。

2021年、「みんなのフォトギャラリー」には「世界の美術館」というカテゴリーが加わり、メトロポリタン美術館コレクションの中から約500作品がnoteの見出し画像として自由に利用できるようになりました。北斎や広重の浮世絵も含まれます。

「世界の美術館」といっても、2025年8月時点で公開されているのはメトロポリタン美術館コレクションのみです。noteユーザーには便利な反面、ここに公開されている作品は、日本のブログでトップ画像として使われる割合が高くなるということでもあります。覚えておいて損はない情報です。

また、この記事を読んだ方なら、さらなる選択肢が加わるはずです。美術館サイトを直接訪れることで、note公開の約500点からではなく、美術館公開の約50万点のパブリックドメイン作品から自由に好きな画像を選んでnoteで利用することも可能です。

さらにはメトロポリタン美術館だけでなく、複数の美術館サイトを併用して活用することで、自由に使える浮世絵のレパートリーも一気に広がります。より幅広くパブリックドメインを活用したい方は、次の関連記事を参考にしてみてください。

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