YouTubeやSNSの普及で画像の利用方法は多様化しています。
特に近年、インターネット上でよく見かけるのが、従来の「画像転載」ではなく「画像引用」という方法で、第三者の画像を許可なしで利用するケースです。
- 画像転載と画像引用の違いとは?
- 何が合法で何が著作権侵害になるのか?
- 印刷物・ブログ・YouTubeなど、媒体別・条件別の引用ルールの違いとは?
この記事では、一般的な引用ルールを示した上で、媒体や条件に応じた画像引用のルールをわかりやすく解説します。
画像利用の基本ルールを網羅的に知りたい方は、次のリンク先記事「著作権侵害を防ぐためのチェックリスト」をご覧ください。
今回の記事は、様々な画像利用の方法のうち、第三者が著作権を持つ画像を許可なしで利用する「画像引用」に特化した内容です。
画像引用の条件を満たす共通ルール
第三者の著作物である画像(イラストや写真など)を転載利用する場合には、著作権者に許可を取ることが著作権法における基本的なルールです。
しかし転載ではなく引用であれば、著作権者への許可を取らずに利用することが合法になります。
とはいえ、それが本当に引用の条件を満たしているのかは専門家でも判断が難しいケースが多く、裁判で争われることもあります。ましてやコンテンツを発信する側である法律の素人は判断を誤りがちです。
そこでまずは基本情報として、文章でも画像でもすべての著作物に共通する「引用の条件を満たすための必要条件」を紹介してから、個々の事例へと深堀していきます。
引用の条件を満たすための必要条件
引用は、次の①~⑥すべての条件を満たしている必要があります。
①公表された著作物であること
引用は公表された著作物であることが条件です。未公表のものは引用の場合でも権利者に許可を取る必要があります。
②引用の必要性と正当性があること
著作権法第三十二条では引用について「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」と記されています。
例えばニュースを批評するには一次情報となる報道内容の参照が必要です。書評を書くにも本の一部を紹介したほうが魅力が伝わりやすいことがあります。また特定の事象を説明するのに、一目で分かるビジュアルとして特定の画像をどうしても使いたい場合もあります。
このように、その著作物を利用することの必要性(加えて正当性)があって、はじめて引用は成立します。
③引用の範囲内であること
自らのオリジナルコンテンツが主であり、引用はその補足である必要があります。画像利用の場合も、自らのオリジナルコンテンツが主であり、他者の著作物である画像はそれを補足するための利用である必要があります。
そのコンテンツ内での画像利用の主従関係(利用の割合)が従から主に変わると、それは引用ではなく転載になります。
④引用の範囲を明確にすること
どこまでが引用かを明確にする必要があります。
文章の引用であれば「」や” “でくくる、画像であればそれが引用であることをクレジットや説明文で具体的に記します。
⑤引用元の改変をしないこと
引用元の改変や編集はNGです。文章の引用であれば「」内は原文のまま記すこと、画像も加工はNGです。例外として著作権フリー画像などで改変の際のルールが示されている場合は、そのルールにならいます。
肖像権が絡んだ人物写真では、モザイク加工をすることがあります。これは著作権とはまた別の権利になるので、人物写真を使う場合は肖像権のことを調べてみてください。
⑥引用元を明記すること
書籍や論文には参考文献を記すルールがあるように、引用したものはその情報源をたどれるようにする必要があります。
ネット上からの引用であれば「サイト名(記事タイトル)とURL」、もしくは引用元(画像の所有者)が掲げているルールに合わせてクレジットを記載します。
例
引用元:「〇〇〇タイトル」(URL)
出典:「〇〇〇」(URL)
参考:「〇〇〇」(URL)
―――(必要条件はここまで)
もう一点重要なポイントとして、引用では利用許可は必要ありません。
画像を利用させてもらう場合は、自ら責任を持つこと、その画像を利用する必然性や利用方法の正当性を法的に照らし合わせて判断すること、著作権者へのリスペクトを忘れないことが大切です。
引用の条件を満たしていると思っていても、実際には条件を満たしていない(認識が甘い)ケースもあります。判断が微妙なラインも多く、著作権者がその画像の使用を著作権侵害だと感じて利用料を請求してきたり裁判で訴えてくるリスクもあります。
そこでここからはより具体的に、媒体別・条件別に引用ルールを見ていきます。
印刷物とウェブでの画像引用のルールの違い
出版や従来型のメディアに携わってきた方は、「画像引用」という言葉に違和感を抱くことがあるのではないでしょうか。
これまで長い間、活字メディアで引用といえば、たいていは「文章の引用」でした。
なぜなら書籍や冊子といった印刷物では、第三者の画像を使うことはほとんどが「転載」とみなされるからです。画像引用の適用はウェブ媒体と比べるとかなり厳格で、第三者の画像を使う場合は著作権者や所有者に許可を取ることが基本になります。
では印刷物とネット媒体では、画像利用のルールにどのような違いがあるのでしょうか? わかりやすく比較するために、「本の紹介」というコンテンツを例にして、紙メディアとウェブでの画像利用におけるルールの違いを見ていきす。
ウェブでの画像利用の基本ルール
ウェブ上で本を紹介する場合、Amazonのリンクを貼る方法や、「埋め込み」式のリンクを使って本の表紙画像や基本情報を記事内に表示させる方法をとることが一般的です。
一方で、Amazonに掲載されている本の表紙画像を無断でダウンロードして使うのは、著作権侵害にあたります。その画像は出版社や著者の所有物・著作物にあたるため、基本的に許可を取る必要があるからです。
× 画像を無断ダウンロードして自分のサイトに掲載するのはNG。
●直接画像を張り付ける

現代語訳『東海道中膝栗毛』
江戸の借家で暮らす怠け者の弥次さんと居候の喜多さんは、やかん頭の老人になってからの茶呑み話を蓄えようと、2人で国々の名山勝地を巡る長旅に出ることを決意します。
※ここでは著作権侵害にならないように自らの著作画像を使用。
では、引用として使うのはどうでしょうか? 実は、Amazonを含めてウェブ上の表紙画像は出版社や著作権者の許可や提供を得て掲載されているものなので、許可を得ずに使うのは著作権侵害にあたります。引用という形でも法的にグレーの可能性が高いようです。
これまで本の表紙画像の無断使用がほとんど問題になっていないのは、出版社や著者側は本を紹介してもらうことに大きなメリットを感じているからです。これが本の中の画像であれば、一気に問題は大きくなります。このように著作権者のことを想定しつつ、第三者の画像は慎重に扱う必要があるのです。
もし合法的にAmazonの表紙画像を許可なしで使用したいならば、サイトのスクリーンショットを使う方法もあります。Amazonの該当ページのスクリーンショットを撮り、その画像を使えば、法的リスクは低くなるでしょう。
これは本の表紙がメインではなく、Amazonのページを見せるという方法です。
あくまで引用のルールを満たしていることが条件ですが、ウェブサイトのページのスクリーンショットは一般的に画像引用が認められやすいです。ただし分量や内容にもよりますし、スクリーンショットなら何でもOKというわけでもありません。
個人情報などを避けることはもちろん、個々の事例ごとに判断し、扱いには十分に注意しましょう。スクリーンショットを含めた引用画像には、出典やURLを記載することも条件です。
〇 AmazonページのTOP部分(本の表紙の掲載箇所)などのスクリーンショットは、正しく引用すれば認められやすい。ただしリンク先を明確にすること。
●ページTOPのスクショを載せる

引用元:現代語訳『東海道中膝栗毛』
まとめ
- ウェブで第三者のサイトやコンテンツを紹介する場合は、リンクを貼ったり、「埋め込み」機能で紹介することが望ましい。
- 画像には著作権があるので、ダウンロードして無断掲載するのは、「引用」も含めて著作権侵害にあたるリスクが高い。
- ウェブサイトのページのスクリーンショットは一般的に画像引用が認められやすい。ただし分量(主と従のバランス)や内容など、扱いには十分に注意が必要。
印刷物での画像利用の基本ルール
次は、印刷物の場合です。
印刷物では、ウェブのようにリンクを貼ったり「埋め込み」表示をすることはできません。また、画像の掲載はウェブよりもかなり範囲や条件が厳格で、引用として認められるケースは非常に少なくなります。
紙メディアで本を紹介するときは、編集者や記者やカメラマンらが自ら現物を撮影して、自分たちの著作物として画像を掲載するのが一般的です。それが難しい場合でも、基本的には本の表紙画像を各出版社から提供してもらって使用します。
これは著作権の問題に加えて、ネット画像では画質が粗くなるので、きれいな画質のものを所有先から提供してもらう必要があるという理由も併せ持っています。
ここまでの話は本の表紙だけでなく、すべての画像利用に言えることです。できるだけ自分たちの著作物になる方法を選択し、その手間を省く場合でも、基本的には権利者に画像を提供してもらうのが画像掲載におけるルールになります。
例外として、ウェブサイトのトップページのスクリーンショットを掲載する、動画の中から数枚のスクショ画像を選んで掲載するなどは、分量や内容を正しく扱っていれば、印刷物での画像引用が一般的に認められやすいです。
しかし基本は「画像は引用ではなく、転載として使う」ことを念頭に置いておきましょう。
まとめ
- 印刷物では、画像引用の適用はかなり厳格で、第三者の画像を使うことはほとんどが「転載」とみなされる。そのため画像利用では、著作権者や所有者に許可を取ることが基本となる。
- 例外として、ウェブサイトのトップページのスクリーンショットを掲載する、動画の中から数枚のスクショ画像を選んで掲載するなどは、分量や内容を正しく扱っていれば、画像引用が一般に認めらている。
ブログでの画像引用のポイント
ここからは、ウェブ上での媒体別により詳しくルールを見ていきます。
ウェブ上では、URLを貼って第三者の著作物を容易に紹介できること、共有性・流動性・速報性が高いことから、画像1枚1枚に許可を取るケースは非常に少ないように思います。画像引用という方法が使われるのもウェブならではです。
しかし画像は文章と違って、転載と引用の区別が曖昧です。たとえ引用の条件を満たしていても、それを見て第三者がどう思うかという印象の問題にも関わってきます。
例えば災害時など、第三者が撮影したものを勝手に転載して紹介することが度々起きます。実は著作権法では、報道のための利用は正当な範囲内において第三者の著作物を許可なしで利用することが認められています(第四十一条)。
それでも報道機関は第三者が撮影した「事件の決定的瞬間」など許可を得てから掲載するのが一般的です。つまり、許可なしで画像を引用することのハードルは高いのです。
ましてや報道機関ではない個人で、ブログで画像引用する場合はなおさらです。では、ブログではどのようなことに気を付ける必要があるのでしょうか?
その判断基準として、まずはウィキペディアの画像引用のルールを紹介し、続いて最も広く使われているスクリーンショットの利用ルールについて解説します。
ウィキペディアでの画像利用のルール
ブログの画像引用において参考になるのが、多くの第三者による画像が掲載されているウィキペディアです。
例えばウィキペディア内の「Wikipedia:画像利用の方針」というページを開くと、そこには「ウィキペディア日本語版において画像を利用する際の方針」が記載されています。
それによると、ウィキペディアに画像をアップロードする際は、著作権に留意し(無断転載は避けて)、画像には必ず出典、著作権表示、ライセンス表示を記載すること(意訳)が基本方針とのことです。
いくつか聞きなれない言葉が出てきたので、用語を解説します。
出 典 画像や情報の出所や参考元を示す
著作権表示 作品の著作権者や所有権を示す
ライセンス表示 作品の利用条件や権利範囲を示す(CCライセンスやパブリックドメインなど)
それを踏まえて、ここから具体例を見ていきます。
ウィキペディア「外国人居留地」の事例
例えばウィキペディアの「外国人居留地」のページを開くと、解説と共に多くの画像(明治期の古写真・古地図・絵ハガキから近年の風景写真まで、かなり幅広い形態の画像)が掲載されています。
そして各画像をクリックすると、左下に「著作権者・所有者」と「画像の説明文」、右下に「ライセンス表示」(パブリックドメインが多い)と「画像の作成日(発行日)」が表示され、出典情報がひととおり網羅されています。
画像①
例えば、「横浜 海岸通り 1904年」というタイトルの画像(絵葉書)をクリックすると、次のような情報を見ることができます。
● 著作権者 不明
● 所有者・掲載元 絵葉書サイト(URL付き)
● 発行 1904年
● ライセンス表示 パブリックドメイン
この画像①は1904年に発行された絵葉書なので、著作権の保護期間は満了し、パブリックドメイン(著作権フリー)となっています。しかし画像自体は、横浜の絵葉書収集家が運営するサイトに掲載されたもので、運営者に所有権があります。
印刷物に掲載するのであれば、サイトの運営者に許可を取るのが基本ですが、ここでは掲載元としてサイトのリンクを貼って出典を明確にすることで、ウィキペディアに掲載しています。
画像②
次に、明らかに著作権者がいる事例として「横浜 馬車道周辺 2006年」の画像(近年の風景写真)をクリックすると、次のような情報を見ることができます。
● 著作権者 投稿者自身による著作物
● 掲載元 ー
● 撮影 2006年7月
● ライセンス表示 CC 表示-継承 3.0 ※条件付きで二次利用可能なライセンス
画像②は、「外国人居留地」のページの編集者が、ウィキペディアへの投稿用に自ら撮影した写真のようです。さらに自らの著作物であることを提示するだけでなく、ライセンス(使用許諾)の意向もしっかり示しています。
第三者の画像を許可なしに利用する場合に、たいてい登場するのが「ライセンス」と「パブリックドメイン」です。詳しく知りたい方は、こちらの解説記事をご覧ください。
ブログでの画像利用のルール
ウィキペディアに掲載されている画像は、多くが「パブリックドメイン(著作権フリー)」、「ライセンス(使用許諾)が示されたもの」、「自らが著作権を所有するもの」に集約されるように思います。
ウィキペディアが画像利用のルールとしているものを個人ブログに当てはめると、次のような手順に沿って、その画像が著作権侵害にならないかを確認すべきということになります。
1)画像の著作権を確認
→その画像に著作権はあるか?
2)画像のライセンスを確認
→第三者が許可なしで使用してよい画像か?(フリー素材、パブリックドメインなど)
→権利者が提示したルールは?(クレジット表記など)
3)出典を記載
→文章引用における「引用・参考文献」の記載法と同じ
ウィキペディアが定めたルールにおいて、「画像の引用」という言葉はまったく登場しません。
それでも先ほどの「横浜 海岸通り 1904年」というパブリックドメイン画像のように、「著作権は切れているけれど、その画像をネットに掲載している所有者はいる」という場合でも、ウィキペディアでは出典を明確にした上で載せていることが多いのが実情です。「許可取り」のルール提示や推奨も特にしていません。
これもウェブならではで、メジャーなサイトも含めて、許可なしで利用できるものを利用するというのが原則のサイトが多いです。著作権は切れていても所有者に許可を取るのが基本の印刷物よりは、かなりゆるく画像利用している印象を受けます。
ウェブは印刷物と異なり、掲載や削除の手続きが容易です。「Wikipedia:画像利用の方針」にも次のような文面があり、「Wikipedia:削除依頼」のページなどが作成されています。
著作権侵害の可能性に関して個々の画像を取り締まるのは、一般のウィキペディアンの仕事ではありません。しかし、ある画像が著作権を侵害している可能性が高いと感じた場合、削除依頼してください。
出典:ウィキペディア「Wikipedia:削除依頼」
許可なしで利用できる「パブリックドメイン」や「ライセンス表示」の画像の探し方については、次の記事を参考にしてみてください。
では、ブログで画像引用が可能なのはどのようなケースなのでしょうか? 最も一般的な事例として、「スクリーンショットの投稿」と「SNSの投稿紹介」について見ていきます。
スクリーンショットの投稿ルール
スクリーンショット(通称スクショ)とは、パソコンやスマホの画面に表示されている内容を画像として保存する機能のことです。
Amazonの事例でも説明しましたが、ウェブサイトのページのスクショ画像は、引用として認められるケースが多いです。ただし、画像自体の無断転載はNGですし、スクショ画面ではレビュー内容や個人情報などに配慮する必要があります。
手順を伝えるためのスクショ画像
特にブログで画像引用としてよく見かけるのが、zoomの使い方など、その手順を伝えるために対象のサービスのスクショ画像を貼って、画像とURLで視覚的に順序立てて説明していくような解説記事です。これらは先ほどの「引用の条件を満たすための必要条件」の項目を参照してみても、その条件を満たしたものが多いように思います。
Amazonの特定のページから購入までのフローを説明するのにスクショ画像を活用するというのも、方法の一つでしょう。
ただしサイトの全てをスクショで転載するのではなく、引用として主と従のバランス関係を守った上で、必要に応じて分量や内容をわきまえることが重要です。
動画の一部を示すためのスクショ画像
「動画の中のこの部分」と、全体の中の一部をスクショ画像で示すことも、画像引用の用法の一つです。また、印刷物ではウェブのように動画の埋め込みができないため、動画の中から数枚のスクショ画像を選んで載せるといったことは、引用として認められることが多いようです。
ただし、その場合にも著作権を確認することは大切です。例えばその画像が違法アップロードされたものであれば、転載も引用も完全に著作権違反です。
サイトごとの利用規約を守ること
AmazonやGoogleなどの大手サイトにはたいてい利用規約のページがあります。例えば「Amazon.co.jp利用規約」のページには、次のような著作権の項目があります。少し長いですが全文を紹介します。
著作権
アマゾンサービスを通じて提供されるすべてのコンテンツ(文字、グラフィック、ロゴ、ボタンアイコン、画像、オーディオクリップ、デジタル形式でダウンロードされたもの、データに編集を加えたものなど)は、アマゾンまたはコンテンツ提供者の財産であり、米国および日本の著作権法、および著作権に関する国際法によって保護されています。
アマゾンサービスを通じて提供されるすべてのコンテンツの編集物は、アマゾンの独占的な財産であり、米国および日本の著作権法および著作権に関する国際法によって保護されています。アマゾンサービスを通じて提供される情報および画像等の無断転載をお断りいたします。当サイトの書籍のカタログデータベースの一部は「BOOK」データベース(著作権者:略)を 著作権者の許諾を得て利用しています。
要は、すでに繰り返し説明してきたとおり、ページを紹介するのは、リンクを貼るか、「埋め込み」機能を使うのが基本ルールで、画像の無断連載はNGです。スクショ画像も一般的な著作権ルールを守りましょうというわけです。
規約違反のスクショ画像としてよく見かける代表格が、Amazonの商品画像やGoogleマップのスクショです。
Googleでは、Googleマップをウェブ上にスクリーンショットで掲載することを禁じています。こちらもリンクを貼るか、「埋め込み」機能を使うのが基本ルールで、印刷物やプレゼンなど条件ごとにルールが異なります。詳しく知りたい方は、Googleマップのガイドラインをご覧ください。
SNSの投稿をブログで紹介するルール
X(旧Twitter)には引用リポストという機能があります。他人のポスト(投稿)をそのまま転載することは著作権侵害になりますが、引用リポストの機能を使えば合法的で簡単に第三者の画像や映像などを直接見える形で紹介することができます。
では、ブログでXのポストを紹介する場合は、どのようにすればよいのでしょうか。
ブログにXのスクショ画像を載せるのは原則としてNGです。一方で、Xの投稿のリンクを貼って共有するか、「埋め込み」で表示させる場合は合法になります。ただしここでも主と従のバランス関係を守るなど、引用のルールにならうことがルールです。
まとめ
- ブログに第三者の画像を載せる場合は、著作権やライセンスを確認し、出典を記載することが基本である。
- ウェブサイトのページのスクショ画像は、引用として認められるケースが多い。ただし、サイトごとの利用規約を確認し、スクショ画面では個人情報などに配慮する必要がある。
- SNSの投稿をブログで紹介する場合は、スクショ画像ではなく、リンクを貼るか「埋め込み」で表示させることが基本である。
YouTubeでの画像引用のポイント
流動的で速報性の高いプラットフォームほど、画像引用と認められやすいケースは増えていきます。特にYouTubeでは、合法か違法かはともかく、画像引用という立て付けで第三者の画像を利用している番組をいくらでも見つけることができます。
書籍でも「学術・研究目的」の場合は画像引用が認められやすいですが、ウェブは誰もがアクセスできて公開性・流動性・速報性が高いため、「情報の共有・批評・研究の目的」は引用が認められやすいとされています。
YouTubeで画像を利用するルール
では、YouTube(その他の動画投稿も含む)では、第三者の画像利用でどのような点に注意すればよいでしょうか? 共通するチェック項目を紹介します。
1)次の要件(条件1~3)のいずれかを満たしているかを確認する
【条件1】その画像は、パブリックドメイン(著作権フリー)である
↓いいえ
【条件2】その画像には、ライセンス(使用許諾とその条件)が示されている
↓いいえ
【条件3】あなたの画像の使い方が、引用の条件を満たしている
↓いいえ
その画像は利用できない
2)画像の出典を記載する
- 画像の上や下などに、引用範囲が分かるように「出典:●●●●●」等と記載する
- 引用元のサイト名やURLを記載することで、見た人が情報源をたどれることを意識する
スクリーンショットのルール
YouTubeでは動画内にも一応リンクは貼れますが、基本はリンクや埋め込みなしで「画像」として見せることになります。そのためスクショの適応範囲もブログより拡大します。
例えばSNSの投稿を紹介するにしても、スクショ画面とユーザー名やURLの提示が基本になります。
GoogleマップもGoogle社のガイドラインによると、「主に教育や娯楽目的でのオンライン動画(YouTube など)」の場合、出典を示した上で許可なしで利用できるとしています。つまりブログのように「埋め込み」ではなく、スクショ画像でGoogleマップを使用してよいというわけです。ただしプロモーション目的の動画は該当しないとしています。
その上で、引用の条件はしっかり確認しましょう。また、引用の条件を満たしていても、その画像元が無断転載していたら、違法なので注意しましょう。
サムネイルの場合
印刷物かウェブか、ブログか動画かに関係なく、1つのコンテンツでのトップ画像か中身かによっても画像利用の扱いは変わります。トップ画像というのは、YouTubeであればサムネイル、ブログであればアイキャッチ、印刷物では表紙と呼ばれる部分に該当します。
特に画像転載が目立つのはYouTubeのサムネイルですが、トップ画像で第三者の画像を使う場合、一般的には「転載」と見なされることが多いです。
サムネイルは通常、視覚的に目を引くために使用されるため、特に引用の範囲や必要性といった点で、引用の条件を満たすことが非常に難しいからです。
また、サムネイルでの第三者の画像利用は、特に商業目的の運営の場合には、違法判定された場合の損害賠償のリスクがさらに高まります。どちらにせよ、サムネイル、アイキャッチなどでの画像利用はより深く注意して扱う必要があります。
葛飾北斎や歌川広重らの有名な浮世絵は、数が豊富ですべてパブリックドメインです。許可なしで利用できるおすすめダウンロード先をまとめています。
まとめ
- YouTubeでは、「情報の共有・批評・研究の目的」の場合は画像の引用が認められやすい。紹介したいサイトやSNSの「埋め込み」ができないため、ブログよりスクリーンショットの利用も認められやすい。
- ただしサムネイルは視覚的に目を引くために使用されるため、引用の条件を満たすことは難しい。
- 第三者の画像利用では、その画像がパブリックドメイン(著作権フリー)か、ライセンス表示があるか、引用の条件を満たしているかのいずれかの条件に当てはまるかを確認する。
【まとめ】共通のチェック項目/媒体別ルールと注意点
画像の掲載はどんな方法であれ、著作権問題をクリアする必要があります。
引用は、認められる範囲(割合)が明確にあるわけではなく、あくまで法律上でも「常識の範囲内」というざっくりとした定義になっています。そのた第三者の画像を使用する際には、個々の状況で判断することが求められます。
共通するチェック項目
第三者の画像を利用する場合、著作権問題をクリアしているか確認し、画像の出典を記載します。これは転載も引用も共通のルールです。
1)著作権の確認:次の要件(条件1~3)のいずれかを満たしているかを確認する
【条件1】その画像は、パブリックドメイン(著作権フリー)である
↓いいえ
【条件2】その画像には、ライセンス(使用許諾とその条件)が示されている
↓いいえ
【条件3】あなたの画像の使い方が、引用の条件を満たしている
↓いいえ
その画像は利用できない
2)画像の出典を記載する
- 掲載元のサイト名やURLを記載し、見た人が情報源をたどれるようにする
- 掲載元に利用規約(ライセンス表示)がある場合は、そのルールにならって記載する
- 画像の引用範囲は明確にする
より詳しく知りたい方は、「画像利用で著作権侵害を防ぐためのチェックリスト」をご覧ください。
媒体別のルールと注意点
印刷物の場合
- 印刷物では、画像引用の適用はかなり厳格で、第三者の画像を使うことはほとんどが「転載」とみなされる。そのため画像利用では、著作権者や所有者に許可を取ることが基本となる。
- 例外として、ウェブサイトのトップページのスクリーンショットを掲載する、動画の中から数枚のスクショ画像を選んで掲載するなどは、分量や内容を正しく扱っていれば、画像引用が一般に認めらている。
ブログの場合
- ウェブで第三者のサイトやコンテンツを紹介する場合は、リンクを貼ったり、「埋め込み」機能で紹介することが望ましい。
- 画像には著作権があるので、他のサイトからダウンロードして無断掲載するのは、「引用」も含めて著作権侵害にあたるリスクが高い。第三者の画像を載せる場合は、著作権やライセンスを確認し、出典を記載することが基本である。
- ウェブサイトのページのスクリーンショットは、一般的に画像引用が認められやすい。ただしサイトごとの利用規約を確認し、分量(主と従のバランス)や内容など、扱いには十分に注意する。
- 一方でSNSの投稿をブログで紹介する場合は、スクショ画像ではなく、リンクを貼るか「埋め込み」で表示させることが基本である。
YouTubeの場合
- YouTubeでは、「情報の共有・批評・研究の目的」の場合は画像の引用が認められやすい。紹介したいサイトやSNSの「埋め込み」ができないため、ブログよりスクリーンショットの利用も認められやすい。
- ただしサムネイルは視覚的に目を引くために使用されるため、引用の条件を満たすことは難しい。
第三者の画像利用では、その画像がパブリックドメイン(著作権フリー)か、ライセンス表示があるか、引用の条件を満たしているかのいずれかの条件に当てはまるかを確認する。
あくまで一般論です。画像を利用させてもらう場合は、自ら責任を持つこと、その画像を利用する必然性や利用方法の正当性を法的に照らし合わせて判断すること、著作権者へのリスペクトを忘れないことが大切です。
関連記事
●【二次創作×著作権】記事リンク集|著作権フリー活用ガイド
今回紹介した関連記事はこちらに集約されています。
●パブリックドメインを活用した二次創作








