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十返舎一九著『東海道中膝栗毛』初編の旅のルートを原作にもとづきマップと一覧表でたどっていきます。
旅の一日目は、弥次さんと喜多さんが暮らしていた江戸の神田八丁堀辺り(現JR神田駅近く)を出発し、東海道の起点日本橋から各宿場をたどって、戸塚宿(東海道5番目の宿場町、現横浜市戸塚区)で宿泊します。
旅の行程一日目
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マップと一覧表の見方
<場所とルート>
●弥次さん喜多さんの「旅のルート」とストーリーが展開していく「各場面(通過点)」は、原作のト書きから抽出しています。
<一覧表のタグ>
●前提として、『東海道中膝栗毛』は”場面転換を示す「ト書き」”と”場面ごとの「ストーリー」”の組み合わせで道中記が展開していき、所々に”弥次喜多コンビの詠む「狂歌」”が挿入されています。
●そこで物語への手引きとして、一覧表には場面ごとの詳細(ト書き以上の内容)がある箇所はストーリータグ、ストーリーというほどではないものの狂歌がある箇所は狂歌タグを付けています。
<マップとの照合>
●一覧表の中の番号(赤字)とマップの通し番号は一致しています。
【初編①】旅の始まり 神田八丁堀~日本橋~川崎宿
■神田八丁堀(出発)→■日本橋(東海道の起点)→■品川宿(東海道最初の宿場町)→■川崎宿(東海道二番目の宿場町)
※いずれも江戸時代は武蔵国。現在は東京都と神奈川県。
場所 | 目的 | 旅のルート(原作より) |
神田の八丁堀 | 出発 | 神田の八丁堀辺(1)に、独住の弥次郎兵へといふのふらくもの、食客の北八もろとも(略)心ざして出行ほどに ※八丁堀=現千代田区鍛冶町1丁目、JR神田駅近く ストーリー |
日本橋 | 通行 | 記載なし(2) |
高輪 | 通行 | はやくも高なはの町(3)に来かかり ※高輪=江戸の玄関口 ストーリー |
品川 | 通行 | ほどなく品川(4)へつく ※品川宿=東海道一番目の宿場町 狂歌 |
鈴ヶ森 | 通行 | いとおもしろく歩むともなしに、鈴が森(5)にいたり ※鈴ヶ森=品川宿の南の入り口 狂歌 |
大森 | 通行 | 大森(6)といへる ※大森=現大田区大森 狂歌 |
川崎宿・万年屋 | 食事 | それより六郷の渉(7)をこへて、万年屋(8)にて支度せんと、腰をかける ※六郷の渡し=六郷橋の前身、万年屋=川崎宿入り口の茶屋 ストーリー |
川崎宿 | 見物 | それよりふたりはぜにをはらひ、ここをたちいでて行に、むかふよりお大名のぎやうれつ ※万年屋を出ると大名行列がやって来る ストーリー |
川崎宿の外れ | 乗馬 | たつて行過ると、宿外れ(9)に(略、馬方と出会う)弥二郎もきた八もここより馬にのると、二ひきならべてひきいだす ※馬に乗って街道を進む ストーリー |
【初編②】横浜の3宿 神奈川宿~保土ヶ谷宿~戸塚宿
■神奈川宿(東海道三番目の宿場町)→■保土ヶ谷宿(東海道四番目の宿場町)→■戸塚宿で宿泊(東海道五番目の宿場町)
※江戸時代は保土ヶ谷宿までが武蔵国、戸塚宿からは相模国。現在は3宿とも神奈川県横浜市。
場所 | 目的 | 旅のルート(原作 ト書き) |
神奈川宿の外れ | 下馬 | はやかな川のぼうばな(10)へつく ※かな川の棒鼻=神奈川宿の外れ |
神奈川宿・台町 | 通行 | 夫よりふたりとも、馬をおりてたどり行ほどに金川の台(11)に来る ※金川の台=神奈川宿の台町(現神奈川県横浜市神奈川区台町) |
台町の茶屋 | 飲食 | 二人はここにて一杯気をつけんと茶屋(12)へはいりながら ※台町の茶屋で酒を飲む ストーリー |
神奈川宿の外れ | 通行 | 爰を立出(13)、いろいろ道草を喰ふ、駅路の気さんじは、声高にはなしものして、たどり行ほどに ※神奈川宿から先に進んでいく ストーリー |
ー | 食べ歩き | (小僧に)五文もち五ツ六ツかってやり ※道中で出会った伊勢参りの小僧に餅を買ってやり食べながら歩く ストーリー |
保土ヶ谷宿 | 通行 | 打わらひてゆくほどに、はや程ケ谷の駅(14、15)につく ※程ケ谷の駅=保土ヶ谷宿(現横浜市保土ヶ谷区) ストーリー |
品野坂 | 通行 | 打わらひ過行ほどに、品野坂(16)といふところにいたる。是なん武州相州の境なりときけば ※品野坂=品濃坂と権太坂。境木地蔵尊周辺が武蔵国と相模国の国境 狂歌 |
ー | 通行 | 日も西の山のはにちかづきければ、戸塚の駅(17)になんとまるべしと、いそぎ行道すがら ストーリー |
戸塚宿 | 宿探し | やどをさがせども、みなふさがりとめぬゆへ大きにこまり、まごつきあるき ※戸塚宿(現横浜市戸塚区)に到着し宿を探す ストーリー |
戸塚宿の外れ | 宿泊 | それより宿はづれ(18)にいたるに、漸くはたごやの合宿なきていにみゆるあれば、やがてここにたよりて ※戸塚宿外れの旅籠で宿泊する ストーリー |
ここまでで旅の一日目が終了
より詳しい旅の内容
●リスト前半「【初編①】旅の始まり 神田八丁堀~日本橋~川崎宿」の各ストーリーはこちらから読むことができます。
●リスト後半「【初編②】横浜の3宿 神奈川宿~保土ヶ谷宿~戸塚宿」の各ストーリーはこちらから読むことができます。
●作品全体の主なルートはこちらの総合解説から確認できます。
参考文献
●十返舎一九 作、麻生磯次 校注『東海道中膝栗毛(上)』初版1973年(岩波文庫 黄227-1)
●十返舎一九 作、平野日出雄 訳『東海道中膝栗毛【現代訳】第一部 品川~新居』1994年(十返舎一九の会制作、静岡出版発行)