『東海道中膝栗毛 初編』の旅のルートと原作場面(弥次さん喜多さんの立ち寄りスポット)をマップと共にたどっています。
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● 本記事の旅の行程とマップの通し番号(+日程で色分け)は一致しています。
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旅の1日目(神田八丁堀~日本橋~戸塚宿)
原作場面①~⑪(=マップの通し番号 赤色①~⑪)
江戸を出発
① 弥次さんと喜多さんは神田八丁堀の借家を手放し、旅に出ます。※八丁堀=現千代田区鍛冶町1丁目、JR神田駅近く
② 2人は東海道の東の起点日本橋を通過し、江戸の玄関口高輪までやって来たところで、ふとここまでに借家を手放し旅に出るまでの一連の出来事に思いを馳せます。
③~④ 2人は各通過点にまつわる歌を詠み合いながら、品川宿~鈴ヶ森(③)~大森(④)を通過して川崎宿に向かいます。
川崎宿(神奈川県川崎市)
⑤ 東海道二番目の宿場町・川崎宿の茶屋「万年」で奈良茶飯を注文し、店員の女の尻を見て好き勝手に言い合います。
⑤-2 茶屋を出たところで大名行列に遭遇し、道端で土下座をしながら行列に茶々を入れていきます。
⑥ 川崎宿の外れで馬に乗って、馬方同士の会話を聞きながら神奈川宿に向かいます。
神奈川宿・保土ヶ谷宿・戸塚宿(神奈川県横浜市)
⑦ 海を望む台町(東海道三番目の宿場町・神奈川宿)の茶屋に入り、店の美人娘に目を見張るも、一癖ある料理が運ばれてきます。
⑧ 道中で無銭旅の小僧と出会い、風変りな会話を弾ませながら、せがまれて餅をおごります。
⑨ 東海道四番目の宿場町・保土ヶ谷宿では宿引きの女が通行人に次々と声を掛けるも、白粉を塗りたてた顔を見て皆逃げ去ります。
⑩ 戸塚宿に向かう道中、2人は宿で父親と息子を演じようと画策します。
⑪ 東海道五番目の宿場町・保土ヶ谷宿外れの旅籠屋に泊まるも、親子を装ったばかりに女中に相手にされず、”夫婦固めの盃を”としなだれかかる喜多さんに宿の女は逃げ出します。【一泊目】
旅の2日目(戸塚宿発~小田原宿)
原作場面①~⑬(=マップの通し番号 青色①~⑬)
藤沢宿(神奈川県藤沢市)
⑪-2(赤) 戸塚宿を出発し、大名の長持の行列を見た弥次さんは、尻をふりながら重い荷物を担いで進む様子に死んだ女房を思い出します。
① 道中で乞食坊主に遭遇し、ちょんがれ節で銭をせがまれます。
② 東海道六番目の宿場町・藤沢宿外れのあやしげな茶屋に立ち寄ります。
③~⑤ 茶屋で注文を待つ間、通行人に江の島への行き方を尋ねられた2人は、遊行寺前(③)の橋(④ 遊行橋)から鳥居(⑤ 江島神社一ノ鳥居)へと道を説明しながら脱線を繰り返します。
⑥ 藤沢宿で駕籠かきと交渉し、2人は駕籠に乗って平塚宿の手前まで向かいます。
⑥-2 駕籠かきに担がれた弥次さんは、道中記の知識をもとに物知り顔で会話を楽しみます。
平塚宿~大磯宿(神奈川県平塚市・大磯市)
⑦ 東海道七番目の宿場町・平塚宿手前の馬入の渡しで、2人は地元民に川の名前や伝承を教わります。
⑧ 東海道八番目の宿場町・大磯宿の延台寺に立ち寄り、伝説の虎が石を前に歌を詠み合います。
⑨ 名所の鴫立庵に立ち寄り、西行の像に手を合わせて歌を詠みます。
⑩ うららかな道中で2人は「〇〇と掛けて何と解く?」と謎掛けを繰り返します。
小田原宿(神奈川県小田原市)
⑪ 酒匂川を越えた先で宿引きの話に乗って、今日泊まる宿が決まります。
⑫ 東海道九番目の宿場町・小田原宿で名物のういろう店に立ち寄り、お菓子のういろうではなく薬のういろうを口にします。
⑬ 小田原宿の旅籠に宿泊し、上方(関西)の五右衛門風呂を体験します。【二泊目】
旅の3日目(小田原宿発~箱根宿)
原作場面①~⑤(=マップの通し番号 オレンジ色①~⑤)
箱根湯本~箱根宿(神奈川県箱根町)
① 夜明けと共に小田原宿を出発し、箱根八里の山道を進んで、日の出る頃に風祭(小田原市風祭)を通過します。
② 箱根湯本の挽物細工の店で看板娘と会話しながら、弥次さんは気に入ったたばこ入れを購入します。
③ 石畳の山道を進んだ道中で、箱根権現(箱根神社)へ向かう子供の集団と出会います。
④ 芦ノ湖のほとりの霊場「賽の河原」に到着し、2人は歌を詠みます。
⑤ 箱根関所を通過して、東海道十番目の宿場町・箱根宿で2人は喜びの酒を酌み交わします。【二編に続く】
参考文献
<原作ストーリー>
●十返舎一九 作、麻生磯次 校注『東海道中膝栗毛(上)』初版1973年(岩波文庫 黄227-1)
●十返舎一九 作、平野日出雄 訳『東海道中膝栗毛【現代訳】第一部 品川~新居』1994年(十返舎一九の会制作、静岡出版発行)
<東海道ルート>
●八木牧夫『新版 ちゃんと歩ける東海道五十三次 東 江戸日本橋~見付宿 +姫街道』初版2019年(山と渓谷社)
●350ml.net「東海道五十三次ルートマップ」
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作品名・所蔵先:葛飾北斎「東海道名所一覧」|シカゴ美術館®
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ルートマップと共に『東海道中膝栗毛』の作者十返舎一九の経歴をたどっています。