雑誌「山と溪谷」(2024年11月号、10月15日発売)に書評が掲載されました。
11月号の特集は「決定! 日本百低山」。別冊付録として「関東・京阪神周辺 登山バス時刻表2024-25)」が付いています。→Amazonで見る
『孤高に生きた登山家 岡野金次郎評伝』の書評は、「今月の本棚」のページに掲載されています。
評者は砂田定夫氏です。
日本近代登山史 陰の立役者 謎多き生涯を追う
日本登山史に重要な功績を残した登山家の一人、岡野金次郎の評伝が初めて刊行された。謎が多いとされるその生涯だが、晩年暮らした神奈川県平塚市に縁の深い著者による丹念な調査と検証で、ほぼその全貌が明らかにされた。
(略)これまで断片的にしか語られることのなかった勤務先のことなどから、晩年の生活、没後の記念碑建立のいきさつに至るまでが章ごとに詳述され、引用文も多用し、全般に理解しやすい構成になっている。

戦前からの歴史を持つ「山と溪谷」は、『孤高に生きた登山家 岡野金次郎評伝』でも象徴的な場面で登場します。
岡野金次郎の山の相棒・小島烏水は、死の直前まで「山と溪谷」に「山の因縁五十五年」を連載していました。そのことを岡野金次郎に「初回で君のことを大いに書いてある」と手紙で知らせています(『孤高に生きた登山家』第七章「小島烏水との往復書簡」より)。
2人は晩年に手紙のやりとりを頻繁にしていましたが、「山と溪谷」の連載開始を知らせたこの手紙が、2人の最後のやりとりになりました。
それから約75年の歳月を経て、有名な山岳雑誌「山と溪谷」に、こうして岡野金次郎の評伝の紹介記事が掲載されたことは、非常に感慨深いものがあります。

『孤高に生きた登山家 岡野金次郎評伝』(山と溪谷社)発売中!