日本山岳会の機関誌『山岳』の巻頭に本のダイジェスト版を収録(2024年9月)

日本山岳会の機関誌『山岳』は、日本初の山岳会(のちの日本山岳会)が設立された翌1906(明治39)年に創刊し、2024年で119年目を迎えます。

その創刊以降、特に明治期の日本の登山史は、『山岳』の記録をもとにつくられ、語り継がれてきました。

『山岳』創刊と岡野金次郎
山岳会設立のきっかけをつくったのは岡野金次郎であり、『山岳』の創刊を担ったのは小島烏水です。

2人は1902(明治35)年に日本人登山家として初めて槍ヶ岳に登頂しました。これは登山史で「日本近代登山の幕開け」と位置づけられる画期的な出来事でした。

その後、日本初の山岳会が誕生し、翌年に『山岳』が創刊され、日本の登山文化を先導してきた岡野金次郎と小島烏水の活躍の延長上に、今の登山ブームは存在しています。

『山岳』第119年と岡野金次郎
2024年9月末、岡野金次郎の初の評伝『孤高に生きた登山家』の刊行とほぼ同じタイミングで、『山岳』第119年(通巻177号)が刊行されました。「第119年」(=創刊から119年目)の重みはもちろん、300頁を超える単行本のような重厚な機関誌です。

その巻頭に「特別読み物」として『孤高に生きた登山家 岡野金次郎評伝』のダイジェストが収録されています。本の共著者(鈴木利英子、鈴木遥)が寄稿し、写真や簡易年譜も付いた30頁もの読み物になっています。

タイトルは「Mountain Fever 山恋い――岡野金次郎評伝」。

Mountain Fever(マウンテン・フィーバー、日本語で山恋い)は岡野金次郎が好んで使っていた言葉で、本の中でも日本近代登山の父と呼ばれるウォルター・ウェストンとの出会いや小島烏水との山の回想など、象徴的な場面でたびたび登場します。

『孤高に生きた登山家』のタイトル候補の1つでしたが未採用になったので、『山岳』でのタイトルとして新たに使用することにしました。

『山岳』は会員向けですが、寄稿文の内容はすべて『孤高に生きた登山家 岡野金次郎評伝』に書かれています。日本初の山岳会と『山岳』の誕生秘話、日本近代登山の幕開けについて知りたい方は、ぜひ本を手に取ってみてください。


9月25日発売開始!『孤高に生きた登山家 岡野金次郎評伝』(山と溪谷社)

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